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黒豆

胃が疲れてきたなぁと思う今日この頃、6歳の長男のリクエストもあり、七草粥の材料を買いに近くのスーパーに行く。

「・・・ない・・・」

店員さんに売り場を尋ねる。

「七草は先週まではあったんだけどねぇ・・・」と申し訳なさそうに答えてくれた。

あ、そうだよね。正月気分はもう終わったんだよね。とぼんやり思った。

これで帰ればいいものを、黒豆を手にする。

なぜか、このところ黒豆の存在が気になる。お正月気分は終わりだと思ったそばから、黒豆を持ってレジに向かった。

黒豆を煮る時の自分と言ったら結構ギラギラしている。豆を前夜から浸しておく。そして一旦火を入れれば数時間は鍋にかかりきり、という、行程の長さ。その間に、こどもの寝かしつけ、弁当の支度、朝ご飯、幼稚園の送迎、洗濯など、合間の仕事をどうにかやりくりさせないといけないから、必死である。やりくりの最中も黒豆のことは気になるし、黒豆を煮ている最中もその他のことがきになりなんだか落ち着かない。

そうして、ギラギラしながら作った黒豆は、なんだか、美味しくない。

旨くいかなかった残念な気持ちと、200gの豆が倍量もしくはそれ以上にふくれあがった失敗作、、、それはそれはとても悲しい。

でも、この日は違った。ギラギラした気持ちはなく、なんだかふと急に、黒豆を作ろうという気になり、とても自然に体が動いた。無理がない。トイレにいく、歯を磨くといった日常の動作に匹敵する無理のなさ。

圧力鍋で夜ご飯の片付けと同時に一気に炊いた。掛かった時間はトータル15分くらい。

蓋をしたまま、完成品を確認することもなく存在を忘れて寝てしまった。

朝、米を炊こうと圧力鍋の蓋をあける。

そこにはなんと、ふっくらとした、今までには味わった事のない、極上の煮豆が完成していた。

そして、その週の日曜の午後のクラス。

いつも来て下さるMさん。ダウンドックが気持ちよくない、ゴームカアーサナの腕が組めないといった、普段感じているポーズへの窮屈感をお互い言葉にしながら、快適な方法を探っていく。

答えがでたものもそうでないものもあったが、1対1で、そうして過ごす時間は、お互いに嘘のない時間、シャバーサナがあけたあとの空気はその満ち足りた感じを確かに感じる事ができた。

帰宅して、長風呂に浸かりながら、Mさんの肩や肘のことを考えていた。あの筋肉、あの関節をほぐすにはどんなポーズがいいのか。イマイチ名案は出ない。参考書をみてもこれといった手がかりもみつからない。

でも、いつか、ふっと答えがみつかる日がくるような気もした。

あの黒豆のときみたいに。

そのときまで、ギラギラせずに、肩や肘や体の声をきいていきたいと思ったのでした。

今度クラスにもふっくら美味しい黒豆、もっていこうと思います♡

さて、

明日、1月最後の人形町ヨガは、ムーちゃんクラス。久松町区民館で10時からです。ムーちゃんがあなたの疲れた心と体を癒してくれますよ!みなさまのご参加お待ちしております。

中川まり子

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